年々重くなる冷房費の負担に困っていませんか？電気代の高騰、そして気温の上昇は、収まる兆しがありません。特にガラス面の多いオフィスビル、商業施設や公共施設では、冷房効率が悪化しやすく、冷房費の負担は頭の痛い問題です。

「少しでも電気代を節約したい」「利用者が快適に過ごせるよう対策を講じたい」。そんな施設管理者の方々に向け、本記事では冷房費が高くなる原因を整理したうえで、今すぐできる節電対策7選と、「熱カットで快適空間！知っておきたい遮熱フィルムの種類と効果、施工上の注意点」でご紹介した遮熱フィルムによる窓対策の効果をご紹介します。大規模施設から一般家庭まで、冷房費の削減に役立つ具体策をまとめました。

なぜ冷房費がこんなに高くなるのか？

電気代高騰、暑さの激化

電気代が嵩む大きな要因のひとつは、燃料価格の高騰と、それを受けた電力会社の料金改定です。さらに、近年の夏の猛暑化で冷房の稼働時間が増えたことも影響しています。

冷房効率の低下

導入から時間を経た空調設備では、設備自体の効率が低下しており、余計に電気を消費してしまうケースが多くあります。また、冷房設備の能力が現状の使い方や環境に合っておらず、能力以上の運転を強いられているケースもあります。

ほかにも、室外機が直射日光の当たる場所に設置されていたり、周囲の風通しが悪い場合、放熱効率が下がって冷房の効きが悪くなります。同様に、フィルターの目詰まりも冷房効率を下げ、電気代を押し上げます。これらの要因が重なることで、冷房費はより増大してしまうのです。

冷房のムダ遣いが起きる「見えない落とし穴」

冷房費が高くなる背景には、窓から出入りする熱の割合が非常に大きいことがあります。建物を出入りする熱の約7割は、窓を通るといわれます。夏は太陽光に含まれる赤外線（輻射熱）が窓から侵入して室温を上昇させ、冬は室内の熱が窓から逃げてしまいます。つまり、窓は熱の主な通り道であり、空調効率を高めるには窓からの熱の出入りを抑える必要があるのです。

冷房費を下げるために、今すぐできる節電対策7選

① フィルター掃除は月1回が基本（最大25％の効率低下を防ぐ）

エアコンのフィルターが目詰まりすると、最大で25%も冷却効率が悪化します。月に1度のフィルター掃除で効率低下を防ぎましょう。

② 吹き出し口やセンサー周辺の空間を確保

エアコンの吹き出し口や温度センサー周辺に家具やカーテンがあると、冷気や温度を正しく感知できずムダな運転が発生します。

③ 室外機の周囲を整理整頓＋日除けでパフォーマンス維持

室外機に直射日光が当たる状態や、室外機の周囲にものが置かれて風通しが悪い状態になっていると、放熱効率が低下。効率が落ちた分を補おうと余計に稼動するため、電力消費が増えてしまいます。室外機に日除けをすること、また室外機の放熱を妨げるようなものを置かないこと（雑草も除去する）で効率が改善し、電力消費の無駄を抑えられます。

④ 風量は自動設定で無駄をなくす

風量の設定は「自動」にしましょう。「自動」に設定しておけば、室温が設定温度に到達するまでは強風で効率よく冷やし、その後は必要最小限の運転になるため、無駄がありません。

⑤ 設定温度は高め（27〜28℃）＋サーキュレーターや扇風機を併用

冷房の設定温度を1℃上げるだけで、約10％の消費電力を削減できます。その上で、サーキュレーターや扇風機を併用しましょう。風によって皮膚表面の熱が効率よく放散されるため、体感温度が下がって快適に過ごせます。

⑥ 遮光カーテン・ブラインドの活用

直射日光が差し込む窓には遮光カーテンやブラインドを設置し、室温上昇を防ぎましょう。一般家庭では、すだれやグリーンカーテンなども検討の価値があります。室外側で日差しを遮ることで、室温上昇を根本から抑える効果が期待できます。

⑦ そして本命は…窓そのものを対策する「遮熱フィルム」

窓から侵入する輻射熱をカットできる遮熱フィルムは、冷房費削減の決定打。次項で詳しくご紹介します。

遮熱フィルムとは？効果と導入メリット

赤外線（輻射熱）を遮る → 室温上昇を抑制

遮熱フィルムは、太陽光に含まれる赤外線（輻射熱）を反射・吸収し、室内への熱の侵入を抑える特殊フィルムです。これにより室温の上昇を防ぎ、冷房の効きがよくなります。

月間の消費電力を削減

実証実験により、遮熱フィルムの導入により冷房使用時の消費電力量が30%ほども削減された事例もあります。

• 環境省「ETV技術実証報告書」によれば、平均5〜10％、条件によっては最大30％の冷房負荷削減が確認されています。
  ▶︎ https://www.env.go.jp/policy/etv/pdf/list/h22/051-1001b.pdf

• 経済産業省「夏季の省エネ・節電メニュー」によれば、遮熱フィルムの活用によって建物全体の消費電力に対して約3.7％の削減効果があるとされています（オフィスビルでの実証結果）。施設全体の消費電力を、3〜4％抑えられるというのは、非常に大きなインパクトです。

経済産業省「夏季の省エネ・節電メニュー」資料

 ▶︎ https://www.meti.go.jp/press/2023/06/20230609003/20230609003-6.pdf

UVカット・目隠し・飛散防止などの副次効果も

遮熱フィルムには紫外線カット、プライバシー保護、ガラス飛散防止といった副次的な効果もあり、施設の快適性・安全性の向上にも貢献します。

※遮熱フィルムについては、こちらの記事で詳しくご紹介しています。

🔗熱カットで快適空間！知っておきたい遮熱フィルムの種類と効果、施工上の注意点

遮熱フィルムの導入が特におすすめな施設とは？

商業施設｜ガラス面が多く日射の影響が大きい

病院・介護施設｜患者・利用者にストレスを感じさせない室温管理が必要

公共施設・学校｜利用者の快適性と電力負荷の軽減

工場・倉庫｜空間が大きく温度管理が難しい

一般家庭｜西日対策や光熱費削減に

DIYはちょっと待って！熱割れのリスクとプロ施工の必要性

網入りガラス・Low-eガラスは特に注意

遮熱フィルムを貼ることで、ガラス内部に熱ムラが生じて破損につながるケースがあります。特に網入りガラスやLow-eガラスでは、熱割れのリスクが増します。自己判断を避け、専門会社に相談することをおすすめします。

フィルムの選定と施工はプロにおまかせ

フィルム施工のプロならば、建物の種類・用途、ガラスの種類、部屋の方角に応じて、最適な製品を選定。安全性に配慮した確実な施工が期待できます。プロユースのフィルムは品質が高く、一般には入手が困難なものもあることも、押さえておきましょう。

まとめ｜今できる工夫」＋「窓対策」で冷房費削減！

・まずは節電習慣を整える
温度や風量の設定などの使い方を見直し、定期的なメンテナンスといった適切な対策を講じることで、冷房費は削減できます。

・本気で冷房費を下げたいなら遮熱フィルム
特に、広い空間や大きなガラス面を持つ施設では、遮熱フィルムの効果が非常に大きくなります。

・ECOPなら施設規模や構造に応じた最適な遮熱対策を提案可能
ECOPでは、豊富な実績と診断ノウハウをもとに、施設ごとの課題に応じた遮熱フィルムをご提案します。

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